#3


『しるべのない空』

うまくいかなくて
なきたくて
泣きじゃくって
悔しくて

つまずいて
立ち直って
また転んで
走りだして

今日という日が、僕にとってが、
最悪なのか
まだ ましなのか

どこに立っているのかって
それだって分からなくて


生きてるって
地図のない 旅みたいだ。
見えない折れ線グラフの上を行く。

谷があって 山があって
山があって 谷があって
今がどっちかは 分からなくって

それでも先には、続いてて。





『みずのうた』

庭一面に並べた、形とりどりの器達
雨の雫 打たれて奏でる音の波紋

高く 低く 深く 遠く

彼らの歌は どれ一つとして同じでなく
同じではないのに 重なり合って
神さまにだって創れない音楽を羽ばたかせ
雨と一緒に 僕らを飲み干してる

ああ、そうか

僕らが僕ららしく生きることは そんなに難しくない
必要なのは
打ちつける雫を 怖れずに受け止められる強さ
そして、
雨だれを弾いたその響きを 照れずに伝えられる勇気

形とりどりの器達の 色とりどりの音が
地球を飲み干す 命のノイズなら
大地に生きる 命である僕らは
色とりどりの音色を奏でる
形とりどりの器なんだ. 





『種になる』

小さく丸まって 冬をのり越えよう
まどろむままに 夢を見よう
自分を褒めてあげよう
ゆっくり撫でてあげよう
春が来れば、
一つ のびをして
また出かけなくちゃいけない。

だから、
今は小さく丸まって 夢を見よう。
春、うんと大きく育てるように
心のちからを 貯えとこう。





『あしたより 今』

何度日付が 変わっても
明日はいつも 先にある

明日のために はもうやめて
今日 いま この時を
じっくり ゆっくり 味わおう

大慌てで 飲みほして 空っぽにして
明日のために場所を空けとくなんて
もったいないし つまんない





『 Tell me Tell me ! 』

おしえて おしえて
願いごと
きかせて きかせて
君のこと

カラカラだった 胸の中
しんしん光が 降りつもる
きらきら笑う 君の幸せ
すこし僕にも おすそわけ

おしえて おしえて
願いごと
きかせて きかせて
君のこと





『シーカー』

目を凝らしてると見えるもの
目を閉じてると見えるもの
 
分からない
だから知りたい
どっちの方が多いんだろう

目を凝らしても 閉じてても
見えないものも あるのかな





『豊穣』

種をまけ 種をまけ
一年分の、喜びと 幸せの種をまけ
種をまけ 種をまけ
一年分の、悲しみと 試練の種をまけ

種をまけ 種をまけ

願わくば、豊穣の年。
実りの奇跡に あえますように





『ボトルレター』

泣き出しそうな言葉に火を灯して。
焼けた煙は 天にもとどくから

きらめく星が 君の心の手紙を読んで
淡い、淡い、
シャボン玉のような 夢をくれるから
 




『覚悟』

吹けばいい
世間の風よ、荒波よ。
お前が追い風なら
私は帆を広げ 波の上を滑る舟になる。
お前が向かい風ならば
私は帆を翼に変えて 空を舞う鳥になる。

さあ、吹けばいい
いかなる風にも進路は曲げない。





『追憶』

思えば、私は生きていた
この二本の足で大地に立って

思えば、私は死んだのだ
友の涙に見送られ

思えば、私は幸せだった
こうして笑って逝けるほど。