★はじめに

 5万ヒット記念の水レシピ。解体されるのは『天・奏・楽』
 メイキングと言うよりはハウツーの雰囲気に近いですが、楽しんで頂ければ何よりです。
 尚、画像を沢山使う便宜上、メイキングのページが漬け物石と化していますがそのあたりはご容赦ください(^^;
 前回のレシピよりは詳しい、が目標値。



 ★道具

 ★消耗品の部
   コピー用紙(下書き用)
   水彩紙
   鉛筆と消しゴム
   0.3ミリのシャーペン(HBとB)
   水張りテープ
   ホルベイン水彩絵の具
   ポケットティッシュ(駅前で配っているやつ)

 ★設備の部(?)
   トレス台
   水張りパネル
   ミニドライヤー(絵の具を効率よく乾かすために)
   筆、パレット、筆洗い
   あきらめないこころ、そして勇気(え


 ☆紙のアレコレ
  今回使ったのは、ワトソン紙<白>
  特に高価ということもなく、お手頃なのであります。たいていB2サイズくらいで買ってきて、家で四つに切って使っています。
  紙はその人の相性があると思うので、いろいろ試してみるのがお勧めです〜
  私の場合はいろいろ渡り歩いて、ワトソン紙白に定着。


 ☆鉛筆のアレコレ
  最近まであんまり気にしていなかった鉛筆なんですが、この間素敵なのを発見したので…!
  鉛筆の濃度にもH、HB、B、2Bなどいろいろありますよね?しかしこの濃度、数値は同じでもメーカーによって色味が違うんです。
  で、お勧めなのが三菱の『uni★star』
  同じBの濃さの鉛筆でも、鉛筆独特の銀色っぽいてかりが少なくて『黒が濃い』という感触。


 ☆筆のアレコレ
  毛の柔らかいものと、普通の毛のと使い分けています。

左から三本が、毛の柔らかい筆の3サイズ
『デザイン用 彩色筆』と柄に書いてあるけどどこのメーカーのだろ…

左から4〜7本目までが、『ホルベインの水彩筆(mini)』
サイズは、左から順に2番、4番、(平筆の)4番、8番
だいたいここまでがいつも使っている筆です

残りの筆は、主にパレットで色を混ぜるのに使われたり、ものすごく細かい部分(目とか)に着彩するときに使います。
…言い換えれば、そんなときにしか使わない順レギュラーさん達です。

 ☆柔らかい筆と、普通の筆の違い
  ※柔らかい筆の用途
   水の含みがよくて、一度に広範囲をぬれるのでそういう部分の着彩や、塗りたい部分に水を含ませておくのに使います。
   また、毛が柔らかいので、下に既に色が塗ってあっても画用紙から削ってしまうことなく、色を重ねられます。
   重ね塗りが基本の塗り方の私は、そういう意味でとっても重宝しています。
   ぼんやりと色を抜きたい時は、水を多めに含ませて表面をなでるようにするときれいです。
   反面、細かい作業には向いていない、基本的におおざっぱな性格。

  ※普通の筆の用途
   私の場合はホルベインの2番4番がこれ。細かい作業からおおざっぱな作業までカヴァーv
   この2本でなんとでもなるが故に、最近この2本以外の筆は出番がない。(特に平筆とか!)
   たいてい何でもできる筆ですが、重ね塗りをするときは気をつけた方がいいです。
   濃い色を塗った場所に、この筆で色を直に重ねたりすると、毛が堅いので下の色を溶かしていまいます。
   そうすると、見るも無惨にムラムラに。はっきりと色を抜きたいときには便利なのですが…。
   そんなわけで、わりかし几帳面な性格のようです。


☆パレットのアレコレ
 ←今回の絵を描き終わった直後のパレットさんの様子
  折りたたみ式とお皿タイプを併用して使っています。
  洗うの面倒くさがってるうちに、どんどん増えてったよ!
  (お皿パレットは移ってないのがあと五枚あるよ!)

  沢山使う色は、お皿にドバーッと作ると効果的。
  どの絵でも使う色は、洗わずにとっておくと経済的。



☆ホルベイン水彩絵の具
 基本12色を箱で買って(正確には誕プレでした^^)
 その後買い物に行くたびに「あの色キレイこの色ステキ」と増加。
 箱にしまうと探すのが面倒なのでトレイに放り込んでます。
 茶系統は同じ色が2本ぐらいあったり…。

 でかい白はアクリル絵の具
 一本だけクサカベの水彩絵の具が混じっています。(どれかな…?



 ★ラフ(構想)→下絵→線画→水張り→背景→塗り→完成
 
★ラフ(構想)
 イメージは「骨」「角」「角笛」「楽士」「太古」「民族」
 昔地球に空気ができたばっかりの頃って、えらい熱かったらしいんですけど、そんな感じに熱そうな空気と足下には化石やらなにやら………という構想で(わかりにく…!)
 詳しい時代設定がある訳じゃないですけど、何となく製鉄技術は発明されてなさそうなので、金属は銅か青銅にしとこう、とか羽根は骨で、とか…いろいろ考えてます。
 隠れ課題は「人物を頑張って描く」です。…人間描くのが好きじゃないのでその克服が課題だったり(苦笑)

 絵自体は、もってる物やら衣装の細かいとこやらは下書きの時にやればいいや〜という、おおざっぱな状態です。
 手に持ってるのなんて、謎の棍棒みたいですしね!
 その分塗り方や色合い、光の入る位置などは、頭の中に山ほどに指示を詰め込んでます。
 
 さて、ここでA4サイズに調整してプリントアウト
 ………をしてる最中に「パクヨンハの決めポーズ?」という妹からの謎コメントが。
 …どんなポーズよ!?

 ↓ で。

★下書き
 プリントアウトしたラフを、トレス台でざっとコピー紙に写し取ったら、大まかにしか描いてない部分を詰めていきます。

 今回は資料を一つも調べていないので、細かい部分も想像で埋めていきます。といっても、複雑な物はないですけど。
服は民族っぽさをイメージしてチベットのお坊さん(?)がきているみたいな布に。謎のパーツはオプション装備。
 布の堅さは、左腕→スカート部分→胸部分→腰(両サイド)でだんだん柔らかくなるイメージです。腰のサイドのは和服のちりめんみたいな質感………かな、たぶん。
 大好きなアクセサリーは、小さいのを多めしたほうがそれっぽかったので、沢山。

 そして急成長を遂げた楽器(笑)
 原料は骨と木と青銅。いったい何動物の骨なんでしょう…?(謎
 ベヒーモスとか………?
 髪もいつの間にかロン毛に。

 ここで妹に「高見沢のおかしなギターみたい」というステキコメントを戴きました。ほほ。
 そんな気してきたよ。

  ↓
 ★線画
  下書きが終わったら、今度はそれをコンビニでコピーしてきます。
  コピーした物を、0.3ミリのシャーペンでワトソン紙にライトトレーサーを使ってトレース。
  このとき、トレス台で透けてるのをただなぞるんじゃなくて、下書きをよく見ながらどれがなんの線かよく考えて描くと失敗しないで済みます。(失敗しても消しゴムで消せますけど)
  線画の写真は、下書きとたいして変わらないのでスル〜

  ↓
 ★水張り
  線画が描けたら、ワトソン紙を板に水張りします。
  水彩で描いても紙がしわしわにならないように、というおまじないの一種です(違)
  …えーと 方法は…前回やったので省略v




 ラフ→下絵→線画→水張り→背景→塗り→完成



★背景
 それでは塗りに入ります。
 とりあえず、絵の中で一番奥にあって、かつ範囲の広い背景部分から。

 毛の柔らかい彩色筆(大)で背景の部分を水ぬりして、水が乾かないうちにさくさくと色を置いていきます。
 あらかじめパレットに作っておいた三色くらいで、お互いにじませたり、紙の地の色を残したり………

 私がここで気をつけているのは、空気色を考えて塗ることです。本当は空気に色はないんですけど、イメージ的に^^;
 今回は赤い空のイメージなので、そのまま空気色は『赤』

 多少はみ出ても修正は可能なので、気楽にいきます。
  ↓


 色をおき終わったら、いったん乾かします。
 ここで力を発揮するのがドライヤー…!!熱風でごうごう乾かしてしまいましょう。ドライヤーがなければ自然乾燥でもいいですが、やっぱりあった方が早いです。便利。

 完全に乾かしたら、ちょっと色を置きすぎたな〜と思う部分を『抜き』ます。
 水を含ませた彩色筆で、白くしたいところをなでるように擦って、ティッシュでぽんぽんとたたけば色が薄くなります。
 それを繰り返して、自分の思う形に色を抜いていきます。
(1枚目の写真と微妙に、白い部分の形が違うのわかります?)
  ↓


 色抜きが終わったら、また完全に乾かします。
 乾かしたら、今度はもっと色や影を強くしたい部分に色を足していきます。

 たとえば、画面左の羽根のような物の近くの空の場合、
 もう少し紫っぽい色にしたかったので、まず紙が完全に乾いていることを確認したら、水を含ませた彩色筆で、色を足したい範囲よりやや広いくらいの部分を水塗りします。
 このとき、はみ出したら困る羽根の上などはよけて塗ります。
 そしたら乾く前に、紫色の絵の具を濃くしたい部分に置いていきます。

 赤や黄色を足したいところも同じ要領で。



 ラフ→下絵→線画→水張り→背景→塗り→完成


 ★塗り
  背景以外の塗りは、とりあえず肌色から。
  普段は適当な赤とディープイエローを混ぜて、黄味の強めの肌色を作るんですが、今回は空気色が赤なので人物の肌もそんな感じの色にトライ(笑)

 A  →  B

  やり方は背景とあんまり変わりません。
  (A)水を含ませた筆で、まず顔のパーツを水塗りして、乾く前に黄色の強い肌色をぼかしながら塗ります
     鼻と口のあるあたりがそれ。おでこや頬の部分には、赤みの強い肌色を塗りました。
  (B)いったん乾かして、また水を塗ってからもう少し濃くする部分に、背景を塗ったときの色をぼかす。
     髪の毛と眉の影に当たる部分には、濃い紫を入れました。(髪の毛が紫の予定だったので)

  色塗りでは、どんな風に光が差してるのか気を配っています。詰めの甘いこともしょっちゅうですけど(苦笑)
  この絵だと、上からは『空気色と同じ赤みがかった柔らかめの光』が差していて、貝やら石やらがあるあたりからは、上方向に向かって『白い強めの光』が差しているイメージです。分かりにくいですが;
  …とにかく、そんなようなことを念頭にマッチョメンの腕も塗っていきま〜す。

A  →  B

  腹も同じように塗ってしまえば、人物の人物故に人物っぽいパーツは終了です(一番苦手)
  あとは、それぞれの質感などを気にしながらも、まったく同じ要領で好きなパーツから制覇していくのみ!

    * 下地になる色を塗って乾かす
    *  
    * 水を塗って、影になる色をのせて乾かす
    *  
    * 色を抜いて調整して、変だったらもう一度影になる色を足してみたりする

  …をひたすらに繰り返すのみ。ここで「あきらめないこころとゆうき」をありったけ使うよ!使い切るよ!


  …で、6時間後→   ………
遅!  




 ラフ→下絵→線画→水張り→背景→塗り(補足)→完成

 ★塗りの補足
  ……というか、世間一般では蛇足と呼ぶ物のような気もいたしますが(マテ
  色塗りの時頭に入れてると便利そうなことを。


 ☆水筆を使うときの注意
  塗ったはいいものの色が濃くなり過ぎちゃったとか、あるいは薄すぎたので濃くしたいなんて時。
  水を含ませた筆で、既に色を塗った場所をもう一度塗る というのをよくやるんですが、ここで気をつけなきゃいけないことが
  
  使う筆によって、下の色が抜ける度合いが違うんです。うっかりすると大惨事
  同じぐらいの力で、水筆を重ね塗り&ティッシュで拭き取りしたものを並べてみました↓

a
b
下に塗った色
毛が堅めの筆でなん往復か
毛が柔らかい筆でなん往復か

  …結構違うのわかりますか?
  aはホルベインの水彩筆、bは彩色筆です。aは紙の白が格好見えてますけど、bはそれほどでのないですよね。
  境目もaは割とくっきりしますが、bはぼんやりとにじんだような格好です。
  そんなことを頭に入れておくと、同じ色を抜くことにしても筆を使い分けられて便利です。
  具体的には、金属の光沢部分などはっきり抜きたいときはa、柔らかくぼんやりと色を抜きたいときはb…とか。
  はみ出してしまった場所なんかも、堅めの筆でがしがしやるとキレイになってイイです。

  あと、下に塗ってある色が濃ければ濃いほど、水でもう一度塗ったときにムラができやすくなります〜
  茶色とか、色によっても溶け出しやすい色があるみたいなので要注意!
  

そんなこんなでさらに六時間経過→  ………激遅!!   

   あんなそんなで、あんまり進んでいない切なさ(カメ並)
   とりあえず頑張っていきましょう。
   しかし、塗ってる場所が違うだけでやってることは一緒という…
   というわけで説明しがいがないので、別のことをお話しすることでお茶を濁そうかな〜と思います。


  ☆にじみ と ぼかし重ね
   <にじみ>
    最初に水を塗って、乾かないうちに上に赤、下に青を塗りました。
     
    この方法だと、色と色との境目のようなものが出来やすく、
    また、赤と緑など、補色同士をにじませあうとばっちくなる傾向が強いです。
    さらに、自分の思い通りににじませるのはとっても難しいです(というか出来たこと無い!)

   <ぼかし重ね>
    最初に水を塗って、乾かないうちに青をぼかします。
    そして乾燥させてからもう一度水を塗って、今度は赤をにじませます。
    イメージ的に、こんなかんじ↓ 
     
 +   =  
    こっちのやり方だと、色と色がグラデーションみたいに重なって見えます。
    あと、比較的思い通りに色を動かすことができます。
    (絵で言うと布のグラデーションなんかがこっち)


   私はぼかし重ね多用で塗ることが多いです。というか、重ね塗りしまくり(笑)
   あと、一色目を上の青のグラデみたいにぬっといて、2回目の重ね塗りの時に、黄色と緑でにじませるとか複合技を使ってみたり。地の色をにじみで塗ってから、乾かして重ね塗りとか逆パターンの複合技もしかり。
   あ、重ね塗りをするときは、先に塗った色が完全に乾くまで待つのと、水を塗る筆は毛の柔らかいものの二箇条を守らないと、二度目に色を塗ったときに下の色が溶け出して、むんむんムラムラになりますので注意〜*




 ラフ→下絵→線画→水張り→背景→塗り(補足)→完成

 ★さて、余談が弾んでそろそろ道を見失ってきた頃に、絵は完成ですよ〜(ええ!?)
  色塗り終了後に、塗ってる途中で薄くなってしまった主線を、Bの鉛筆でなぞります。
  鉛筆なので、多少銀色のてかりがありますが、水張り用のパネルからはがしたあとに、耐光ワニスをスプレーすると目立たなくなります。
  私が使っているのは、ホルベイン社の『UVグロスバーニッシュ』というスプレーです。ちょっと高い^^;
  別に無くても大丈夫なものなので、その辺はお財布と相談してみてください〜

 ★今回の絵
  イラストサイズ…    A4
  下書きに費やした時間… 約3時間
  色塗りに費やした時間… 約18時間(休憩入れるとたぶん30時間くらい)

  でかい上に重い完成品は此方(別窓開きます)
  ………本当に重いので覚悟してお進みください(滝汗)

 ★おわりに
  既に水彩をやっている方には、何を今更…な内容ばかりだったかと思いますが(苦笑)高峰の普段描いてる手順の紹介ということで…^^
  役に立つんだかどうだか…のメイキング(ハウツー?)ですが、楽しんで頂けてれば幸いですv

  絵を描いた後も、サイトにUPするためにはスキャンやらなにやら…と何かと面倒なアナログですが、これで同士が一人でも増えてくれるといいなぁ…と夢抱きつつ(笑)
  
  長い時間お付き合いくださり、ありがとうございましたm(__)m

 ★感想&質問などお気軽にどうぞ。(返信が必要なときは日記でいたしますのでv